« キャブレターという名の舞台 | トップページ | 矛盾チューンで究極ハンドリング »

2006年7月 9日 (日)

名も知らぬ強敵に敬礼!

最近、エキストリーム・バイクの練習で調子が良いから楽しい話をしたい。’95年の11月に岩手のナイト・ライダー主催の集会にKTM600LC4で参加した。場所は秋田道の錦秋湖パーキングエリアの一角。ナイト・ライダーのリーダーはバイタリティーのある人で話してて楽しい。さすがに11月の夜は寒く、軽く一口ビールを飲んで止めるつもりが寒さから他の暖まる酒に自然と手が伸びた。決して酒には強くない俺だが寒さで全く酔わないからドンドン入る。普通これだけ飲んだら少しは酔いそうなもんだが寒さの方が完全に勝ってた。深夜1時を過ぎた頃テントのシュラフに潜り込む者が出始めた。俺はそろそろ潮時と皆に別れの挨拶をしてKTMに乗った。不思議に酔いが全くないからウィリーかましながらパーキングを出る。

秋田南インターから高速を降りて国道7号を走り、途中コンビニで冷えた身体に熱いコーヒーを流し込む。「おっと家の鍵開けてもらわないと・・・」急いで携帯電話で自宅にコールする。すると目の前の道を四輪のいかにもって感じの走り屋集団が7台つるんで走ってきた。俺はいつもの癖でそいつらを追う様にコンビニを出た。すぐに赤信号で交差点に止まっている四輪たちに追いつき、車の横を縫う様にして前に出る。すると停止線に止まるやいなや先頭のパンダトレノがアクセルを煽り出した。「ほうら、来た。」俺はワザと無視するフリをして横目でしっかり信号の変わり目を読む。信号が青に変わった。俺のKTMがドラッグスタート (背筋を真っ直ぐにし、骨盤を立ててスタートを切ると上体に掛かる加速Gが背骨を通しシートを押してトラクションに変化しタイヤのグリップを最大にする。)でパンダトレノを置いてけぼりにする。 そりゃぁ、そうだろKTMの加速は100メートルまでならZZR1100より速いんだから・・・。 (俺のKTMはAMSフジイのFCRキャブ・チューンだ)四輪達は俺のKTMを250ccのトレール車と思っていたらしく、この後ガラっと雰囲気を変える。次の交差点でパンダトレノが汚名挽回ともう一度挑んで来る。俺はもうパンダトレノの実力が解ったから信号が青に変わると同時にウィリースタート。ウィリーしたままパンダトレノを引き離した。やる気を無くしたパンダトレノの後ろからガンメタのRX7が躍り出た。「次はセブンか・・・。」俺はセブンの後半の伸びを警戒しつつも再度ウィリースタートした。今度はウィリーを短めにしてセブンに備えたが、セブンはエンジンをそれ程イジってないのか全然近づいてこない。目の前の信号が赤に変わる。一足先に止まっていると、青いGTRがセブンに「換われ!」と合図して俺の横に並んだ。「多分、こいつがリーダーだな。」態度と雰囲気ですぐに判った。GTRのドライバーはエンジンを煽るが必要以上に回転を上げない。「どうやらかなりゼロヨン慣れしてるな。」今度は俺もマジだ。俺は以前、ドラックレースがやりたくて愛知県のプレジャーって双子の親父達が経営してるショップに顔を出してドラックレースについて研究した事がある。 (ドラックレースが恐ろしく金が掛かるのを知ってレースは断念したが)ライダーの廓さんにも色々教わった。意地でも公道レベルのGTRには負けられない。信号が青に変わる。GTRのタイヤから高いスキール音が響いた。スタートのタイミングはほぼ同時。しかし、KTMの出足には敵わない。俺は次の交差点が赤になるのを祈りながら先行逃げ切りを掛けた。運よく次の交差点の信号が赤に変わり逃げ切り成功。「やばいな。」勝ったはいいが相手にも面子がある。勝ちすぎて四輪にブチ切れられたら無事には済まない。少しでも当てられたら指で弾いた消しゴムみたいに飛ばされる。 (やった事あるヤツは分かると思うが)ここは相手側の走り屋のプライドに賭けるしかない。そう思った矢先GTRがこれ見よがしに交差点内をパワードリフトで回り始めた。「しめた!」俺は両手を挙げ大げさに喜んでGTRのご機嫌を取ったのだ。 (本気で当てられたら即死だから正直俺も必死だ。)GTRは俺のパフォーマンスを見てご満悦。俺は更に自分の安全を確保するため念を押した。GTRの横にワザと並び親指を立てて見せたのだ。GTRは上機嫌。「ホッ。」

この後が愉快だっ060708_13590001 た。俺とGTRはお互いを意識しながら並んで走る。また赤信号になり二台仲良く停止線に止まった。するとGTRのドライバーはニヤニヤしながら前を指差す。「本当かよぅ。」俺はちょっと苦笑い。なぜならこの交差点の先にはオービス (自動速度取締り機)があり、もう一度勝負しろと言うのだ。「ま、いいか。俺はバイクだし、GTRもナンバーに細工してあるし。」俺も今回はリラックスして走れそうだ。信号が青になった。俺はウィリースタートでフロントを上げたままオービスへと向かう。ロングウィリーでそれほどスピードは上がらず、GTRと一緒にオービスに突っ込んだ。パッと赤いフラッシュが光る。

俺は自宅に曲がる交差点をワザと過ぎ、しばらくGTRとランデブー。赤信号で止まったのを合図に左手を上げてUターン。GTRのドライバーもガラス越しに手を上げた。後から追って来た残りのメンバーには左手で敬礼した。ファーン!皆クラクションを鳴らして俺に返した。俺も笑顔、ヤツらも笑顔。俺は満ち足りた気分で家路を急いだ。

|

« キャブレターという名の舞台 | トップページ | 矛盾チューンで究極ハンドリング »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/125037/2560229

この記事へのトラックバック一覧です: 名も知らぬ強敵に敬礼!:

» キール [カクテルマニア]
キール キール - (Kir) は、カクテルの一種である。キール (カクテル)を参照されたし。 キールは船の竜骨のこと。 キール (都市)|キール(Kiel)は、バルト海に面したドイツ北部の都市。軍港が在った。.wikilis{font-size:10px;color:#666666;}Quota...... [続きを読む]

受信: 2006年7月11日 (火) 07時26分

» タイヤグリップ復活剤・フォーミュラーV/Grip [【カーコミュニケーション】]
タイヤは温まらないとグリップしない!そんな問題を解決するのがタイヤソフナーと呼ばれるタイヤグリップ復活剤のフォーミュラーV/Gripなのです。 [続きを読む]

受信: 2006年8月12日 (土) 20時56分

« キャブレターという名の舞台 | トップページ | 矛盾チューンで究極ハンドリング »