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2006年7月 6日 (木)

世界最高のハンドル・レバー

060705_13310001_1 今日は9年前に俺が独自に開発した世界最高のハンドル・レバーの話をしよう。 (ハッ!世界最高だとぅ。フカシてんじゃぁねぇ!と思うだろうが、まずは俺の話を聞いてくれ。)俺は今から9年前にKTM620デュークってバイクに乗っていた。そして知り合って間もないYZF750SPに乗る男と地元の峠でバトルをしたんだ。3時間ブッ続けで走り、一度もYZFの前に出ることなく終わった。 (次の日、デュークのエンジンを見るとクランクケースが横一文字に割れていた。)デュークがオシャカになった俺はヤマハのマシンにはヤマハで勝つ!と次に購入するマシンをヤマハTDM850に決め、購入資金は静岡のヤマハ本社でアルバイトして稼ぐ事にした。 (ちょっと思惑があってね)

ヤマハには今回で2度目のアルバイトで、稼げるラインに配属してもらった。それから5ヶ月間毎日タンクの塗装前の下処理と完成品のチェックだ。俺は昼休みに食事を済ませると決まってある場所へ行く。それはYZF750SPの組み立てラインだ。なぜ行くかと言えばYZFの弱点が解るかもしれないと思ったからだ。 (真剣にそう考えた)来る日も、来る日も飽きる事無く毎日通い詰めた。そして3ヶ月が過ぎようとする時、俺は突然、YZFだけじゃないバイク全体の欠点に気づいてしまった。

俺の考えではバイクはライダーが触れている部分がまだ十分に完成されていない。俺が見つけた箇所はハンドル・レバー、ステップ、シートの3つだ。3つ全部説明するとかなり長くなるので今回はハンドル・レバーのみ説明する。

人間の手の指で握った時に最も力が入る所は第一関節だ。しかも微妙な力加減を要する時もこの第一関節が最も適している。しかし、現実に今バイクに付いているレバーはどうだ?握るにつれ第一関節から離れ第二関節で操作を行う事になる。なぜそんな事になるのか?それはレバーが前方に向かって曲がっているからだ。このような状態ではライダーの能力を100%発揮出来ない。ではどうすれば良いか。第一関節を上手に使う道具に車両整備工具がある。しかも、一流の工具ほど良く出来ていて握って挟んだりする工具は必ずと言って良いほど握る方向に向かってレバーが曲がっている。 (プライヤー、ペンチ類等)これと同じく握る方向に向かって曲げれば良い。

バイクの場合、ただ握る方向にレバーを曲げれば良いのかといえば必ずしもそうではない。 (ただ曲げただけだとグリップに当たって握りきれなくなる)レバー前方の握り部の形状のみを改めればいい。簡単に言うとレバーの握る所の前面のみをうまく削って、そこだけの形状を握る方向に向かって曲げた時と同じ様にする訳だ。さらにレバーから遠い小指でも第一関節でしっかり握れる工夫がしてある。 (写真は俺が実際に加工したクラッチ・レバー。前方のアールが僅かに凸状になっている。下のレバーはエキストリーム用リア・ハンドブレーキ。)

このレバーの特長は抜群の操作性、レバー操作による疲労度の軽減など。

このレバーを発明してすぐにバイト代で実用新案 (自分だけが使用もしくは発売できる権利。特許より申請が簡単)を取得。地元秋田に帰ってから試作品を作り、ショップやパーツメーカーに売り込んだ。だけど現実は甘くない。どこに売り込んでも俺の言う事なんかまともに聞いてもらえず、折角の試作品もテストしてはもらえなかった。 (どこのショップ・メーカーとかは馬鹿くさいからあえて言わない。)何人もの友人に作っては皆から絶賛されるだけに悔しかった。俺のレースの後輩でモトクロスの国際A級になった三浦敦なんか最初に俺が作ったレバーを折っちゃってノーマルに戻したら使えたもんじゃないから、またすぐ作って欲しいとわざわざ仙台から取りにきた。このレバーじゃないと勝てる気がしないとか言ってさ。 (発明したのが俺じゃなく工業大学の教授とか有名なプロレーサーならとっくに世界中の人が使ってるかもしれない。)

ショップやメーカーからの発売を諦め3年がたった頃、どうしても俺の苦労して発明したレバーを色んな人に知ってもらいたかった。そこでガルルってオフ車専門誌に書面で事情を説明し無理にテストしてもらう事となった。俺のレバーは見た目はほとんどノーマルと変わらない。ガルルのテストライダーも最初はかなり馬鹿にしていた様子。半分いやいやながら俺のレバーを装着したマシンに乗ったみたいだ。すると彼は今までのレバーとは全く違うその使用感にかなり驚いた。 (俺自身はテストに立ち会ってはいないがガルルの誌面にそう書いていた。)その後ガルルでは誌面を使い、新製品紹介のコーナーで番外編として俺のレバーを紹介し大絶賛する。

ガルルで全国に紹介された060705_11140001   事でやっと肩の荷が下りた感じの俺は、これ以後自分の乗るマシンにしかこのレバーを使っていない。どんなに良い物でも必要とされなければ世の中に出す意味など無いからだ。だがこれだけは断言できる。構造的にどう見ても俺のレバーを超えるレバーを作る事は不可能だ。もしあると言うのなら俺のレバーとぜひ比較して欲しい。 (その時がくればいつでも作るから。)

話は変わるがYZFとの勝負だが、YZFの彼は峠で事故ってしまい峠を卒業。ステージをサーキットに替え、マシンもTDM850と同系エンジンのTRX850を購入。俺は同じエンジンのマシンじゃ面白くないので、デュークともう一台の愛車KTM600LC4のエンジンを使ってビックボア・ロングストロークのハイパワーエンジンを作る。気分次第で載せる車体を変えて走ったよ。結局、あれからYZFの彼とは一緒に走る機会はなく現在に至る。 (どうでもよくなったのが真相) 

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