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2017年8月 5日 (土)

境界層剥離という現象

3年前、坂道に敷かれた新品の敷鉄板で、坂道を上がろうとしてバイクの後輪が激しく空転して転倒した。

雨によって敷鉄板が濡れていたから無理もない。

新品の敷鉄板は表面が滑らかなので境界層剥離という現象を発生させる。

タイヤが踏んだ部分と、そうでない部分との圧力差により逆流現象が起きて水がタイヤ下に留まろうとする。

すると、低速度でもハイドロプレーニング現象と同じことになる。

つまり、水の上を浮いてる状態。

ところがだ、敷鉄板が錆びてると表面の凸凹で乱流が発生し、乱流で渦になった水がベアリングの役目を果たして水の排出を促進させる。

だからタイヤは滑らない。

実はキャブレターの内部でも同じことが行われている。

キャブレターを流れる混合気の中心部とキャブレター内壁とでは流れる速さの違いから圧力差が生じ、境界層剥離が発生する。

つまり、キャブレター内壁に混合気が貼り付こうとする。

だから、内壁にはガソリンがゆっくりと流れて燃焼効率が落ちる。

カブ&ピースのneriさんが開発したCSPノズルは、なるべくキャブレターの噴射したガソリンを内壁から離して貼り付くのを防止するシステム。

そして、俺がキャブレターの魔改造で行う引っ掻き疵加工は、錆びてる鉄板と同様に内壁の表面を凸凹にして乱流を起こしてガソリンの貼り付きを防止する。

雪百のキャブレターには、この2つのアイデアが盛り込まれている。

なので、燃焼室に飛び込む混合気の勢いが全然違う訳だ。

俺がやってる引っ掻き疵加工と似たようなことをやっている人もいて、キャブレター内壁にゴルフボールみたいなディンプル(凹み)を付けて乱流を起こしている。

狙いは一緒。

効果は、おそらく引っ掻き疵加工の方が上だと思う。

敷鉄板の転倒事故で、坂道に鉄板を敷いた秋田県庁との裁判をする際には、境界層剥離の危険性を証明する為に検証実験までした。

事故現場よりもキツい坂道に錆びてる敷鉄板を敷いて水で濡らし、その上を事故当日の2倍以上の速度で通過したが、タイヤのスリップは皆無であった。

表面に凸凹があると液体はタイヤ下から逃れようとする。(どんどん流れる。)

坂道の敷鉄板もキャブレターも、境界層剥離は邪魔な存在だってことです。

またまた、身を持って体験しました。

最近では、クルマでも車体の角にわざと突起を付けて乱流を起こして、空気の境界層剥離を少なくしてスピードアップとスタビリティ(走行安定性)を向上させています。

バイクやクルマに境界層剥離はダメ!

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